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不倫相手の夫を銃撃!実刑14年、慰謝料3200万円!?

この裁判のあらすじ

【主な登場人物】
原告夫A:被告Cとその知人ら(D,E)に銃撃され重傷を負い,被告Cに対し1億円を超える慰謝料を請求する。
妻B:経理事務所に勤めるところ,被告Cと知り合い不倫関係になる。
被告C:妻Bと不貞するだけにとどまらず,原告夫Aを第三者に銃撃させ,重傷を負わせ懲役14年の実刑判決を受ける。
D:被告Cから依頼を受け,原告夫Aを殺害する人物を探しているところEと知り合う。
E:Dから依頼を受け,原告夫Aを拳銃で撃ち,重傷を負わせた実行犯。  

【あらすじ】
平成10年10月 妻Bは被告Cが経営する会社の経理を担当する経理事務所に勤務していたことから知り合い,不倫関係になる。
平成12年10月 原告夫Aに妻Bと被告Cの不倫関係が発覚し,被告Cは不倫を認め謝罪する。
平成13年1月 原告夫Aは妻Bと被告Cが不倫関係を継続していることして,2度と不倫関係を持たないことを誓い,これを破ったら5000万円を賠償するとの誓約書を交わす。
平成13年6月 原告夫Aは自宅の玄関でDから拳銃による2発の弾丸を胸と腹に受け,重傷を負い,その後身体障害者の認定を受ける。
平成16年6月 原告夫Aは被告Cに対して1億0505万1030円の損害を求める裁判を起こす。

  • 原告の言い分

    不倫関係を続けるために,原告の存在が疎ましくなって殺害を計画したに違いない!

  • 被告の言い分

    すでに不倫関係は終わっていて,原告を殺害する動機は一切ない!

裁判所の判断と判決

不貞の慰謝料額は被告Cの資力からすると1000万円を限度とするのが相当であるが,殺人未遂行為については入院中も逢瀬を繰り返すなど,2000万円が相当である。よって治療費と弁護士費用を合わせた3205万1030円を支払ってください。

以下、判例全文

損害賠償請求事件

【事件番号】 東京地方裁判所判決/平成16年(ワ)第12887号
【判決日付】 平成17年11月17日

主   文

1 被告は,原告に対し,3205万1030円及び内1000万円に対する平成16年6月25日から,内2205万1030円に対する平成13年6月22日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを10分し,その3を被告の,その余を原告の負担とする。
4 この判決第1項は仮に執行することができる。

事実及び理由

第1 請求
被告は,原告に対し,1億0505万1030円及び内5000万円に対する平成13年1月28日から,内5505万1030円に対する平成13年6月22日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 本件は,原告が,被告に対し,被告が原告の妻との間の不貞関係を断つことを誓約し,再び不貞行為を行った場合は5000万円を賠償する旨を合意したにもかかわらず,被告はこれを破って再び不貞行為に及んだ上,原告の存在を疎ましく思った末,第三者に原告を銃撃させて重傷を負わせたとして,上記合意違反については債務不履行に基づき5000万円の損害賠償及びこれに対する債務不履行の日以降の遅延損害金,銃撃行為については不法行為に基づき5505万1030円の損害賠償及びこれに対する不法行為の日以降の遅延損害金の支払を求めた事案である。
2 前提事実(当事者間に争いがないか,括弧内の証拠及び弁論の全趣旨により認められる。)
(1)当事者
ア 原告は,A(A)の夫である。
イ 被告は,ガソリンスタンドの営業等を目的とするB株式会社(B)及び石油製品販売を目的とする有限会社C(C)の代表取締役であった者である。
ウ E義昭(E)は,被告の知人であり,ダンプカーを保有して運送業を自営していたところ,その運送業の資金繰りのため被告から融資を受けるなどしていた者である。
(2)被告とAとの間の不貞行為について
ア 被告は,Bの経理を依頼していた経理事務所にAが勤務していたことから,平成7年6月ころに同女と知り合い,平成10年10月ころからAと不貞関係となった。
イ 平成12年10月ころ,Aとの不貞関係が原告に発覚し,被告は,原告から抗議を受けて,同年11月16日,詫び状を差し入れ,Aと不貞関係にあったことを認めると共に,原告に対して謝罪し,二度とAと連絡を取ったり会ったりしないことを誓約した(甲1。以下「本件誓約1」という。)。
ウ さらに,平成13年1月27日,原告はなおも被告がAとの不貞関係を継続しているとして抗議し,これに対し,被告は,平成10年4月ころから平成13年1月まで不貞関係を続けていたことを認めた上,二度とAと不貞関係を持たないことを誓約し,これを破ったときには5000万円を賠償するとの誓約書を作成して交付した(甲2。以下「本件誓約2」という。)。
(3)原告に対する銃撃事件
ア 平成13年6月22日の午前11時35分ころ,原告は,自宅玄関内において,D(D)から自動装填式拳銃による2発の弾丸を右腹部及び右胸部等に受け(以下「本件殺人未遂行為」という。),全治102日間を要する右前側胸部銃創,右前側腹部銃創,右上腕貫通銃創,右肺挫傷及び手指筋力低下,知覚障害の後遺症が残存する右尺骨神経損傷の傷害を負った。
イ 原告は,本件殺人未遂行為により,同日から同月27日まで6日間入院加療し,その後同年11月までの約5か月間通院して,その間の治療費等として,5万1030円を支払った(甲4)。
ウ 原告は,平成14年2月20日,上記手指筋力低下及び知覚障害により,障害程度等級7級と診断されて,身体障害者の認定を受け,現在もその状況が続いており,改善は困難と判断されている(甲6,7)。
(4)被告の刑事事件
被告は,前記(3)の銃撃事件につき,Eその他の者と共謀の上,Dを実行犯とし,本件殺人未遂行為を行ったものであるとして起訴され,刑事裁判の第1審で平成15年11月6日,懲役14年の実刑判決(東京地方裁判所平成14年合(わ)第115号殺人未遂等被告事件)を受け,事実誤認を主張して控訴したものの,平成16年7月14日,控訴審で控訴棄却の判決を受け(東京高等裁判所平成16年(う)第418号),さらに上告も棄却されてこれが確定し,現在肩書地に収監されている。
3 争点及び当事者の主張
争点は①被告が,原告と本件誓約2をした後もAとの不貞行為を継続していたか,②本件殺人未遂行為は被告がEその他の者と共謀して行ったものか,③被告が①ないし②の行為をしていた場合に原告に対して賠償すべき損害額である。
(1)被告のAとの不貞行為継続の有無(争点①)
ア 原告の主張
被告は,本件誓約2の後も,Aとの不貞行為を継続し,本件誓約2に違反したものである。
被告の主張する他の女性との見合いや,F(F)との同棲,婚姻は,Aとの不貞関係及び本件殺人未遂行為への関与をカムフラージュするためのものに過ぎず,このことはEの刑事裁判での供述からも明らかである。
イ 被告の主張
被告とAとの間の不貞関係は,本件誓約1によって清算され,その後は被告が同人と不貞行為に及んだことはない。
もっとも,被告は,本件誓約1の後にAを被告宅に滞在させるなどしたが,それは原告の暴力からAを守るためにしたものに過ぎず,Aとの間に不貞行為はない。
また,被告は,Aとの関係が発覚したため,前妻と離婚していたが,新たな生活を始めるため,平成13年1月には他の女性と見合いをし,また,同年2月からはFと同棲を開始して,同年3月には婚姻をしているのであって,そのことからもAとの不貞関係が清算されていたことは明らかである。
(2)被告の本件殺人未遂行為に関する共謀の有無(争点②)
ア 原告の主張
被告は,前記(1)アのとおり,Aとの不貞行為を継続していたところ,原告の存在を疎ましく思うようになり,原告の殺害を考えるようになった。
そして,運送業に関し融資をしたことがあるなど,親しい関係にあり,被告に恩義を感じて被告のためなら何でもすると公言していたEに対し,原告を殺害してくれる人物を探すよう依頼した。
Eは,知人を通して,Dの紹介を受け,被告に対し計画の進捗状況を報告しつつ,その指示の下で,Dに本件殺人未遂行為を実行させた。
イ 被告の主張
被告は,前記(1)イのとおり,本件誓約1の後はAとの不貞関係を清算しており,原告を殺害する動機がない。
被告は,本件誓約1の後,Aから,原告より暴行を受けているとして,原告の存在を疎ましく思い,被告に原告を痛めつけて欲しいかのような言動を聞いており,このことを知人であるEに伝えたことはあるものの,原告を殺害するよう依頼したことはなく,その意図もなかった。
それにもかかわらず,Eは,被告の意に反して原告の殺害を計画した上,被告がEの計画に気づき,これをやめさせようとしたところ,かえってこれを奇貨として被告を恐喝し,その借財を帳消しにさせ,また,金銭を交付させた上,Dに依頼して本件殺人未遂行為に及ばせたものである。
E及びAは,被告が本件殺人未遂行為に関してEと共謀していたかのように供述するが,Eの供述は,被告がEに対し原告の殺害を明言して依頼していたのか否か,また,当初から拳銃を使用するとの計画があったのか否かという点で供述が変遷していること,本件殺人未遂行為に係る金銭授受の状況に関して他の者との供述の間で不一致があること等からして信用性がない。また,Aの供述についても,捜査機関の誘導によるもので,信用性がない。
被告には前科はなく,通常の市民生活を送っていたものであって,本件殺人未遂行為に及ぶことは考えられない。
(3)被告が原告に賠償すべき損害額(争点③)
ア 原告の主張
(ア)不貞行為について
被告は,本件誓約2により,再びAと不貞行為に及んだ場合には違約金として5000万円を賠償すると約しており,前記のとおり被告はこれに反したものであるから,同額を原告に支払うべき義務がある。
(イ)本件殺人未遂行為について
被告はEその他の者と共謀の上本件殺人未遂行為に及んだものであり,これによって,原告は治療費5万1030円の損害を被り,また,入通院慰謝料及び後遺症慰謝料を含め,本件殺人未遂行為によって,原告が味わった恐怖にかんがみ,慰謝料として5000万円を請求し得るものである。
(ウ)弁護士費用
上記(イ)の損害賠償請求をするために原告は本訴を提起して追行せざるを得ず,そのための弁護士費用として500万円を要するところ,これも不法行為による損害となる。
イ 被告の主張
(ア)不貞行為について
原告の主張は否認する。そもそも本件誓約2の後で被告がAと不貞行為に及んだことはない。また,本件誓約2は,原告が被告に依頼して,Aが被告との関係を裁ち切れるように作成する必要があると言われ,被告が名目上作成したものに過ぎず,被告の真意によるものでないことを原告は知っていたか,少なくとも認識し得たものであって,民法93条但書ないし94条によって無効である。
また,仮に本件誓約2の全部が無効でないとしても,本件誓約2に係る5000万円という金額は高額に過ぎ,適正額を超える分については公序良俗に反して無効である。被告は,原告に対し,本件誓約1以前の不貞行為について既に100万円を支払っているところ,本件誓約2に違反する不貞行為があったとしても,同様に100万円が適正額であって,これを超える分の支払約束については無効というべきである。
(イ)本件殺人未遂行為について
原告主張の損害は否認ないし争う。
第3 当裁判所の判断
1 被告のAとの不貞行為継続の有無及び本件殺人未遂行為に関する共謀の有無(争点①,②)について
(1)前提事実に加えて証拠(甲8ないし18,21ないし40,42ないし54,乙4,7,8の3,11の1ないし12の1,14の1,15の1,16の1,17の1・2,18ないし24,25の2ないし30,31の2ないし55,57の1ないし63,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認定することができる。
ア 被告は,前提事実のとおりAと平成10年10月ころより不貞関係を続けていたが,平成12年10月ころ,これが発覚して,原告に詫び状を差し入れ,もって本件誓約1のとおり約した。また,上記不貞関係の発覚により,平成12年12月15日,被告は,妻のGと協議離婚をした。
イ しかし,被告はその後もAとの不貞関係を継続し,平成12年12月24日にはAに被告のもとに来るように申し向け,原告宅から家出させて被告宅に同居させるようになった。
ウ 平成13年1月27日,原告は,被告がなおもAとの不貞関係を継続しているとして抗議し,Aを原告方に帰して不貞行為をやめるよう要求するとともに,再び不貞行為に及んだ場合は,1億円を賠償として支払うことを約するように要求した。被告は,原告に対し,平成10年4月ころから平成13年1月まで不貞関係を続けていたことを認める一方,1億円は高額にすぎるので5000万円にしてほしいと申し入れ,原告もこれを了解した。被告は翌28日,二度とAと不貞関係を持たないことを誓約し,これを破ったときは5000万円を賠償する旨の誓約書(甲2,乙15の2添付の別紙2枚目)を持参して原告に交付し,本件誓約2をした。
エ 被告は,Aを前同日にいったんは原告宅に戻したが,その後も同人との不貞関係を継続し,Aが平成13年2月9日から3月10日まで糖尿病のため青梅総合病院に入院していた間にも逢瀬を重ね,結局本件殺人未遂行為が行われた同年6月22日ころまでその関係は継続した。
オ 被告は,Aとの不貞関係を継続するに当たり,原告の存在を疎ましく感じ,同年1月下旬ないし2月上旬ころ,Eに対し,Cの事務所において,原告が邪魔なんだ,やる奴を知らないかなどと申し向け,原告の殺害を実行する者を探すように依頼した。
これに対し,Eは,従前自己の営む運送業に関して500万円の融資を受け,急場をしのいだことがあるなど,被告に対して恩義を感じており,また,当時においても被告からの借入れが2500万円に及んでいたことなどから,これを引き受けた。
その後,被告は,Eに対し,必要経費及び報酬として2500万円を手渡し,実行を催促した。
また,同年3月中旬から下旬ころ,Aが被告との密会の際,原告につき「交通事故で死んじゃえばよかった」と発言したのを契機に,同人にも原告の殺害計画を打ち明け,Aに指示して原告の顔写真を入手してEに手渡すなどした。
カ Eは,この間,知人の中国人に話を持ちかけたが功を奏さず,同年2月末ころ,以前のダンプ仲間であった暴力団員のH(H)に殺害の実行者探しを依頼した。
キ Hは,同じ組の暴力団員で殺害の実行者を引き受けるという者を見つけ出し,Eから700万円を受け取った上,当該組員に手渡したが,結局,当該組員は原告殺害を実行することなく姿をくらませてしまった。
ク Hは,同年4月末から5月までの間に,金を持ち逃げされたことをEに伝え,その負い目から,5月中旬ころ,暴力団仲間に事情を話して殺害の実行者探しを要請し,同月下旬ころ,その紹介によって,Dに対して原告の殺害を依頼し,同年6月中旬ころ,Dはこれを引き受けた。
ケ Hは,同月上旬ころ,実兄であるI(I)と,Iが所属する右翼団体で運転手等をしていたJ(J)及びK(K)の協力を得て,同月12日にE,Iと共に原告宅付近を下見し,同月20日にはD,I,J,Kに原告宅の下見をさせ,その下見の結果等から,宅配便を装って玄関ドアを開けさせ,拳銃を発砲するという殺害方法を計画するに至った。
コ 被告は,この間もEと会って,原告殺害の実行を催促するとともに,殺害計画の進捗状況を聴取していた。また,被告は,Aと週に1回程度の割合で密会を続けており,同人にも拳銃を用いて原告を殺害する計画を話していた。
しかし,なかなか実行に至らなかったため,被告は,Eに対し,遅くとも同月22日までには必ず実行するよう重ねて催促した。
サ Hは,Eから催促を受け,同月22日の朝,自動装填式拳銃と実弾数発を入手し,Iに手渡した。
Iは,J及びKと共に,原告宅付近の待ち合わせ場所へと向かい,同日午前11時過ぎころ,作業服を着用して段ボールを持参したDと落ち合い,I,D,J及びKは,Jが運転する車に乗り込んで原告宅へ向かった。
Dは,原告宅前に到着すると,左手で段ボール箱を持ち,右手で拳銃を握って原告宅の玄関へと向かい,宅配便業者を装って原告を玄関に呼び出し,やにわに原告に向けて弾丸2発を発射して本件殺人未遂行為に及んだ。
シ 被告は,本件殺人未遂行為に関して,Eの2500万円の借金を帳消しにするとともに,3000万円を交付していた。
(2)ア 以上に対し,被告は,前記第2の3(1)イのとおり,平成12年11月までにAとの関係は清算されており,その後の不貞行為はないと主張する。
しかしながら,Aは,その供述において,平成12年11月以降も被告と密会し,平成13年2月9日から3月10日まで糖尿病のため入院していた間にも逢瀬を重ね,平成13年3月から6月の間も月に約3,4回は被告と密会し,性交渉をしたことを認めており,この点は,原告の供述に加え,糖尿病のため入院していた際の担当医師の供述(甲21)によっても裏付けられている。
また,そもそも,被告自身,Aとの間で,平成13年1月までは性交渉をしたことを認めているのであって(乙21の17頁),被告の上記主張は,この供述とすら矛盾しており,到底採用し難い。
また,被告は,平成13年1月に第三者と見合いをし,また,同年2月以降はFと同棲したことを不貞関係の解消の裏付けとしてあげているが,見合いの点については,被告の言い分によれば,Eから原告への殺人行為をもとに恐喝されているのに,一方で同人から見合いの紹介を受けたというのであり,それ自体にわかに首肯しがたい状況である。Fについても,上記のように同年1月まではAとの関係が続いていたのに,翌2月から直ちに同棲,ひいては婚姻関係を始めたというのは,いささか性急にすぎ,通常の婚姻関係であったのか疑義を払拭し得ない。むしろ,これらは,Eの供述のとおり,Aとの不貞関係及び原告殺害行為への関与のカムフラージュにすぎなかったと認められ,被告の上記主張も,採用することができない。
イ 被告は,前記第2の3(2)イのとおり,本件殺人未遂行為に関与していないとも主張する。
しかしながら,前記認定のとおり,被告とAとの間の不貞行為は本件誓約2の後も継続していたものであり,被告が本件殺人未遂行為に及ぶ動機は十分に存在したというべきである。
そして,Eにおいては,被告と数度にわたり相談し,被告にせかされる形で本件殺人未遂行為に及んだことを具体的かつ詳細に供述しているし,Aにおいても,被告から本件殺人未遂行為に及ぶことをほのめかす言動を繰り返し聞かされ,被告から求められて原告宅の合鍵と原告の写真を交付したと供述しており,両者の供述は被告が主体的に本件殺人未遂行為に関与していた経緯につき符合していること等からして優に採用することができる。
これに対し,被告は,Eから本件殺人未遂行為に関して脅迫を受けていたものであるし,また,Eの供述は,被告が原告の殺害を明言して依頼したのか否か,当初から拳銃を使用する計画があったのか否かという点で変遷しており,本件殺人未遂行為に係る金銭授受の状況に関して他の者との間で不一致があること等からして信用性がないと主張する。しかし,Eから脅迫を受けて本件殺人未遂行為に至るのを止められなかったとする被告の主張は,従前の被告とEとの関係等に照らして首肯しがたく,Eの供述は,原告を殺害することを計画し,これを被告と数度にわたって相談した上で実行したという基本的な部分において一貫しており,被告の主張するような点は,その信用性を左右するに足りるものではない。
また,被告は,Aの供述についても,捜査機関の誘導によるもので,信用性がないと主張するが,これを認めるに足りる証拠は皆無であるし,また,Aの供述は当初から一貫しており,その信用性を優に認めることができる。
その上で,被告自身も,Aから言われたことをEに伝えただけという前提の下にせよ,原告を痛めつけることをEに伝えたことは認めていること,その後,被告は,Eから拳銃を用いて暴力団員に原告を襲わせることも聞いていたこと,Aに原告の写真及び原告宅の合鍵を提供させていることは認めており(乙3,4,7,17の1・2),結局のところ,被告の供述自体も本件殺人未遂行為を被告が容認していたことをうかがわせるといわざるを得ない。
したがって,被告の上記主張もおよそ採用の余地がない。
(3)以上によれば,被告は,本件誓約2の後もAとの不貞行為を継続して,この誓約に違反したものであり,また,Eその他の者と共謀して本件殺人未遂行為に及んだものと認めることができる。
2 被告が原告に賠償すべき損害額(争点③)について
(1)不貞行為について
ア 前提事実のとおり,被告は,本件誓約2において,爾後Aと不貞行為をしたときは5000万円を賠償する旨を約しているところ,被告は,前記第2の3(3)イのとおり民法93条但書,94条により,本件誓約2は無効であると主張する。しかし,前記認定のとおり本件誓約2の時点ではいまだAとの不貞行為は継続されており,被告の主張するような状況でなかったことが明らかであること,当初原告が1億円を賠償するように申し入れたが,被告が5000万円への減額を申し入れ,原告がこれを容れて本件誓約2がされたことが認められ,本件誓約2が民法93条但書,民法94条によって無効とされる余地はないというべきである。
イ もっとも,不貞行為についての損害賠償として,5000万円全額の支払を被告に命ずるというのは高額に過ぎ,被告の不貞行為の態様,資産状況,金銭感覚,その他本件の特殊事情を十分に考慮しても,なお相当と認められる金額を超える支払を約した部分は民法90条によって無効であるというべきである。
本件では,前記のとおり被告が本件殺人未遂行為に及んでいることからして,被告の行動が悪質ではあることは明らかであるが,それは後記のとおり本件殺人未遂行為に係る慰謝料の算定に当たって評価すべきであって,あくまで不貞行為についての慰謝料という観点から損害賠償の予定として相当と認められる金額を認定すべきである。
しかるところ,5000万円という金額は,被告が自ら提示したものであること,被告は会社の代表者を務め,本件殺人未遂行為の報酬等として数千万円もの大金を拠出するなど,かなりの資力があり,金銭感覚も通常人とは異なっているとうかがわれること,不貞行為の内容をみても,被告は,先に本件誓約1をしながら,平然とこれを破り,Aを唆して家出させて同棲に及び,さらに本件誓約2の後も,すぐにAとの不貞行為を再開し,入院中ですら逢瀬を重ねるなどその態様も大胆不敵で違法性は強いというべきこと,その他本件の各事情を勘案すると,被告に対して不貞行為に関する損害賠償額の予定として支払を命ずるべき金額としては1000万円を限度とするのが相当と認められる。
なお,本件の不貞行為に係る損害賠償請求権は,本件誓約2の違反という債務不履行に基づいて発生する期限の定めのないものであるから,これに対する遅延損害金は,本件訴状送達による催告の翌日である平成16年6月25日から発生するというべきである。
(2)本件殺人未遂行為について
ア まず,前提事実のとおり,治療費5万1030円を原告は拠出したものであって,被告は同額の損害賠償義務を負うというべきである。
イ 本件殺人未遂行為に対する慰謝料については,原告がこれによる手指筋力低下及び知覚障害により,障害程度等級7級と診断されて身体障害者の認定を受けていること,本件殺人未遂行為が拳銃によって,しかも原告宅においていきなり銃撃されるというものであって,原告の受けた衝撃は極めて深いものであったと認められ,特に被告が逮捕されるまでの間の,いつまた襲われるかもしれないという原告の恐怖心は甚大であったと認められること(甲53),一方被告は,Aとの不貞行為の継続に当たって原告が疎ましくなったという自己中心的な動機から原告の殺害を企図し,金を湯水のごとく費やし,多数の共犯者を巻き込んで本件殺人未遂行為を実行したものであって,その態様も閑静な住宅地で白昼に拳銃を発射するという計画的かつ大胆不適なものである上,刑事裁判において被告の主張がことごとく退けられた現時点においても,不合理な弁解に終始していて,いささかの反省もなく,その違法性は極めて強いというべきであって,このような被告の態度は,原告の精神的苦痛をますます増加させていること,その他本件に現れた全ての事情を考慮すると,2000万円が相当というべきである。
(3)弁護士費用について
原告は,被告が任意の支払に応じないため,本訴の提起を余儀なくされたことが認められ,うち本件殺人未遂行為と因果関係のあるものは,不法行為と相当因果関係のある損害というべきであるから,弁護士費用相当の損害は,不法行為に基づく損害として認定した金額の約1割に当たる200万円と認められる。
3 以上のとおりであって,原告の請求は,3205万1030円及び内1000万円に対する平成16年6月25日から,内2205万1030円に対する平成13年6月22日から各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余については理由がない。
よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第44部
裁判長裁判官  瀬戸口壯夫
裁判官  篠原 礼
裁判官  大畠崇史

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